40代・50代は週何回筋トレするのが健康に良い?
なんとなく日々の生活だけでも疲れが出てきていませんか?
運動を始めてみようと思ってもどのくらいの頻度やれば良いのでしょうか
筋トレが重要な理由についてはこちらで解説しています。▶︎慢性腎臓病において筋トレが重要な理由
結論:40代・50代の筋トレは週2〜3回がおすすめ
「健康のためなら毎日筋トレした方が良いのでは?」と思われるかもしれません。
実際には週2〜3回のレジスタンストレーニング(筋トレ)が、筋肉量や筋力を維持しながら、生活習慣病や心血管疾患、死亡リスクの低下にも最も効果的と考えられています。
| 目的 | おすすめ頻度 |
|---|---|
| 健康維持・老化予防 | 週2回 |
| 筋力・筋肉量を増やしたい | 週2〜3回 |
| 運動経験が豊富 | 週3〜4回(部位を分ける) |
まず覚えておきたいポイント
- 週2〜3回で十分効果が期待できる
- 毎日行う必要はない
- 筋トレは「続けられる頻度」が最も重要
実際に海外の大規模研究では、筋トレは週30〜60分程度でも死亡リスクや心血管疾患リスクの低下と関連しており、長時間行うほど効果が高くなるわけではありません。
具体的に筋トレを始めたい方へ
腎機能や尿蛋白が気になり、
「筋トレしてよいのか」「何から始めればよいのか」と迷う方に向けて、
安全に筋トレを始め、習慣にするための考え方と実践方法を1冊にまとめました。
スクワットなど4つの基本運動に加え、
約3分の初心者向け実践動画も用意しています。
『健診で「腎臓が悪い」と言われた人のための貯筋の本』
eGFR・尿蛋白が気になる人へ 現役腎臓専門医が教える安全な筋トレ習慣
では、なぜ毎日ではなく、休息日を設けた方が良いのでしょうか。
毎日ではなく、休息が必要
「毎日やった方が早く健康になりそう」と思うかもしれません。 しかし、筋トレは毎日行えばよいというものではありません。
現在では、多くのガイドラインや研究から、週2〜3回程度が健康維持や生活習慣病予防に最も取り組みやすく、十分な効果が期待できる頻度と考えられています。

筋肉は休んでいる間に強くなる
筋トレをすると筋肉には小さな損傷が起こります。 その後、十分な休息と栄養をとることで筋肉は修復され、以前より少し強い状態へ適応します。
同じ筋肉を毎日鍛えるよりも、1〜2日程度休ませる方が効率よく回復し、筋力や筋肉量の維持・向上につながります。
やりすぎても効果は頭打ちになる
「たくさん運動すればするほど健康に良い」と思われがちですが、そう単純ではありません。
筋力トレーニングについては、週30〜60分程度で死亡リスクや心血管疾患リスクが最も低くなることが報告されています。 それ以上行っても効果は大きく増えず、疲労やケガのリスクが高くなる可能性があります。
運動のやりすぎについて詳しくはこちらで解説しています。
▶︎
運動のやりすぎは逆効果?
筋肉は「代謝の臓器」でもある
筋肉は体を動かすだけでなく、体内最大の代謝器官でもあります。 筋トレを継続すると、筋肉からマイオカインと呼ばれる物質が分泌され、慢性炎症を抑えたり、糖尿病や心血管疾患のリスクを下げたりする働きが期待されています。
結論
- 筋肉は休息中に回復して強くなる
- 筋トレは週30〜60分程度でも十分な健康効果が期待できる
- まずは週2〜3回を目標に継続することが最も重要
週2〜3回・週60分を目安に始めよう
筋トレは毎日やればやるほど健康になるわけではありません。 現在の研究では、健康維持を目的とする場合は週2〜3回、合計30〜60分程度で十分な効果が期待できることが示されています。
まずの目標
- 週2〜3回の筋トレ
- 合計30〜60分(1回20〜30分程度)
- 全身をまんべんなく鍛える
| 目的 | おすすめ |
|---|---|
| 健康維持・筋肉を守る | 週2〜3回・30〜60分 |
| 筋力アップ | 週2〜3回を継続し、徐々に負荷を上げる |
| 血糖・血圧・気分の改善も目指す | 筋トレ+有酸素運動を組み合わせる |
筋トレだけでも多くの健康効果が期待できます。 一方で、血糖コントロール、血圧、心肺機能、抑うつ症状の改善などをより期待する場合は、ウォーキングなどの有酸素運動も組み合わせることが推奨されています。
まずは週2〜3回を習慣にすることが最も重要です。 運動に慣れてきたら、有酸素運動を追加すると、さらに健康効果が期待できます。
「どのくらいの強さで行えば良いの?」という方は、こちらの記事をご覧ください。
▶︎ 運動強度(RPE)の決め方
何を、どのくらいやれば良い?
「筋トレを始めたいけれど、何をやれば良いかわからない」 そんな方も多いでしょう。 実は、最初からたくさんの種目を覚える必要はありません。 全身の主要な筋肉をまんべんなく使うことが大切です。 まずは次の4つを意識しましょう。
まずはこの4種目だけでOK
① スクワット
鍛える部位:下半身
効果:歩く・立つ・階段・転倒予防
詳しいフォームやレベル別の方法はこちらで紹介しています。 ▶︎ 初心者にスクワットをおすすめする理由
② 腕立て伏せ
鍛える部位:胸・腕
効果:床から立つ・物を押す
③ ペットボトルローイング
鍛える部位:背中・腕
効果:姿勢を保つ・物を引く
④ プランク
鍛える部位:体幹
効果:姿勢・腰痛予防・バランス
回数や強さは?
8~12回を1〜3セット行います。深さや傾きなど負荷を調整できる種目では、「あと2〜3回は正しいフォームでできる」程度のかなりきつい程度を目指します。
| 部位 | おすすめ種目 | 目安 |
|---|---|---|
| 下半身 | スクワット | 8〜12回 × 1〜3セット |
| 押す動き | 壁プッシュアップ・腕立て伏せ | 8〜12回 × 1〜3セット |
| 引く動き | ローイング・懸垂(補助ありでも可) | 8〜12回 × 1〜3セット |
| 体幹 | プランク・腹筋 | 20〜30秒 × 2〜3セット |
負荷の目安
「あと2〜3回なら正しいフォームでできそう」と感じる程度が目安です。 (RPE7〜8)
最初から限界まで頑張る必要はありません。 フォームを崩さず継続できる強さを選びましょう。
初心者向けに自覚的運動強度(RPE)について説明しています。▶︎どの程度の負荷の運動をすれば良い?
初心者向け|週2回から始める筋トレスケジュール
「週2〜3回が良いと分かっても、実際にどう組めば良いのかわからない」という方も多いでしょう。
最初から完璧を目指す必要はありません。 まずは週2回続けることを目標にしましょう。
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 月 | スクワット・腕立て伏せ・プランク |
| 火 | 20〜30分の早歩き |
| 水 | 休息またはストレッチ |
| 木 | スクワット・ローイング・プランク |
| 金 | 20〜30分の早歩き |
| 土・日 | 散歩・家事・好きな運動 |
まずはこれだけで十分
- 筋トレ:週2回
- 早歩き:週2〜5回
- 1回20〜30分程度
続けられるペースが最も効果的です。
慣れてきたら週3回へ増やしたり、スクワットの回数を少し増やしたりしていきましょう。
一目でわかるお家筋トレ

運動は「頑張ること」より「続けること」の方が重要です。
よくある質問
毎日筋トレしても良いですか?
毎日同じ筋肉を鍛える必要はありません。
筋肉は休息中に回復・成長するため、
同じ部位は1〜2日休ませるのがおすすめです。
おすすめ
- 全身なら週2〜3回
- 毎日行うなら部位を分ける
ウォーキングだけでも十分ですか?
ウォーキングは健康維持に非常に効果があります。
しかし筋肉量を維持・増やす効果は限定的であるため、
スクワットや腕立て伏せなどを追加するとさらに効果的です。
| 運動 | 得意なこと |
|---|---|
| ウォーキング | 心肺機能・血圧改善 |
| 筋トレ | 筋肉量・筋力維持 |
ウォーキングだけと筋トレを追加した場合にどう変わるのかはこちらの記事で解説しています。▶︎ウォーキングだけではダメ?
ジムへ行かなければ効果はありませんか?
いいえ。
スクワット・腕立て伏せ・プランクなど、
自宅でも十分効果があります。
運動を続けられる環境を選ぶことが最も重要です。
運動を休んでも良い日はありますか?
次のような場合は無理をせず休みましょう。
- 発熱
- 胸痛
- 強い息切れ
- めまい
- 急激なむくみ・体重増加
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
プロテインは飲んだ方が良いですか?
通常の食事で必要なたんぱく質が摂れていれば、
必ずしもプロテインは必要ありません。
CKD(慢性腎臓病)では病期によって適切なたんぱく質量が異なるため、自己判断で大量摂取せず、主治医や管理栄養士と相談しましょう。
まとめ
これまでお話ししてきた内容はあくまで目指すべき目標です。
まずはStart Low and Go slowを原則に未経験者は低負荷から始めて、ゆっくりと進めるのが鉄則です。最初は5〜15分程度の軽い運動から始めて、1ヶ月程度かけて自分に最適な強度まで引き上げます。
漸進性の原則も忘れずに、1ヶ月程度同じ負荷や回数できた場合には体調が良い日に回数を増やす、深さや傾きを変えるなどで少し身体への負荷を上げることが筋肉を守ることにつながります。
息止めはせずに、動作中もゆっくり呼吸をし続けることを意識しましょう。
もっと体系的に学びたい方へ
この記事では、「なぜCKDで筋肉が重要なのか」を中心に解説しました。
実際には、
- どの程度の運動なら安全なのか
- 腎臓病でも筋トレしてよい人・注意が必要な人
- プロテイン・タンパク質はどう考えるべきか
- 週2〜3回で効果的な筋トレプログラム
- 透析を遠ざける生活習慣の考え方
これらを組み合わせることで、「数十年後も自分の脚で歩くための貯筋」が完成します。
現在、『健診で「腎臓が悪い」と言われた人のための貯筋の本』を執筆中です。
発売後はこの記事からもご案内します。
あわせて読みたい
参考文献
- Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) CKD Work Group. KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease. Kidney Int. 2024.
- Izquierdo, M., et al. Global consensus on optimal exercise recommendations for enhancing healthy longevity in older adults (ICFSR). J. Nutr. Health Aging. 2025
- Momma, H., et al. Muscle-strengthening activities are associated with lower risk and mortality in major non-communicable diseases: a systematic review and meta-analysis of cohort studies. Br. J. Sports Med. 2022;56:755–763
- Hallan SI, et al. Long-Term Physical Exercise for Preventing CKD in Older Adults: A Randomized Clinical Trial. JASN. 2025.
- Johansen KL, et al. Exercise in Individuals with CKD. Am J Kidney Dis. 2012.


コメント