40代・50代の筋トレはなぜスクワットから始めるべき?|腎臓専門医が解説する「貯筋」の第一歩

腎臓×運動

40代・50代の筋トレはスクワットから|初心者におすすめな理由と始め方

この記事でわかること

  • 40・50代の筋トレにスクワットが最適な理由
  • スクワットで鍛えられる筋肉
  • 初心者向けの始め方
  • 安全な回数・頻度の目安

「筋トレを始めたいけれど、何から始めればいいかわからない」

40代・50代になると、階段がしんどい、立ち上がりに勢いが必要になったなど、身体の変化を感じる方が増えてきます。

そこで私がまずおすすめしたいのが『スクワット』です。

実はスクワットは、将来の介護予防や健康寿命の延伸という観点から、最も効率の良い筋トレの一つと考えられています。

筋トレを始めるなら、なぜスクワットなのか

日常動作主に使う筋肉筋力が低下すると
立ち上がる太もも・お尻手すりが必要になる
歩くお尻・太もも裏歩く距離や歩幅が短くなる
階段太もも前・お尻階段を避けるようになる

これらを支えるのは、太ももとお尻です。つまり、下半身を鍛えることは『自立』を鍛えることでもあります。

スクワットで鍛えられる筋肉

上のように身体の中で最も総量の多い脚の筋肉だけでなく、体幹の筋肉も一気に鍛えることができます。

これらが、10〜20年後の日々の自立した生活を支えることとなります。

40代・50代こそ筋トレが必要な理由

60代以降、急速に筋力が低下し、要支援や要介護となる方が増えていきます。特に日々運動していない人、歩いているだけの人、貯筋もしてきた人では大きな差ができてきます。

自分の足で歩き、自分のしたいことができる老後を目指してみませんか?

この考え方を貯金ならぬ、“貯筋”として筋肉を蓄える考え方があります。貯筋についてはこちらをご覧ください。 ▶︎介護を遠ざける老後への備え:貯筋とは?

スクワットが最強な5つの理由

特別な器具がいらない

簡単にいえば

スクワットはしゃがんで立ち上がる

という動作だけです。これをゆっくり行うだけで、運動習慣がない人には十分な負荷を与えることができます。

下半身の大きな筋肉を鍛えられる

脚の筋肉は全身の筋肉の半分以上を占めるとも言われています。

そのため、脚を鍛えることは

・血糖の改善
・体重管理
・サルコペニア予防

にもつながります。

多くの筋肉を同時に使える

40代・50代は忙しい世代です。

スクワットは

・太もも
・お尻
・体幹

を同時に鍛えられるため、短時間で効率良く運動できます。

筋肉役割日常生活で使う場面
大腿四頭筋(太もも前)膝を伸ばす立ち上がる・階段を上る
ハムストリングス(太もも裏)股関節を伸ばす歩く・走る
大臀筋(お尻)身体を起こす立ち上がる・坂道
脊柱起立筋(背中)姿勢を保つ立位・歩行
腹筋群体幹を安定させる転倒予防
スクワットは下半身だけでなく、体幹も同時に鍛えられる全身運動です。

負荷調整がしやすい

レベル種目目安おすすめの人
椅子スクワット5〜10回運動習慣がない人
★★自重スクワット8〜12回少し慣れてきた人
★★★ゴブレットスクワット8〜12回筋力をさらに伸ばしたい人
★★★★ジムのレッグプレス8〜12回高齢期まで筋力を維持したい人
スクワットは段階的に負荷を上げられることが大きなメリットです。

立つ・歩く・階段など日常生活に直結する

下半身や体幹の多くの筋肉を動員するため、日々の日常生活で使う筋肉を鍛えることができます。

超初心者向け:椅子スクワット

慣れていない人はまずはこれです。

椅子スクワットのやり方

椅子の前に立ち、足を肩幅程度に開きます。 お尻を後ろへ引くようにゆっくりしゃがみ、椅子に座る直前で立ち上がりましょう。 膝だけを前に出すのではなく、「お尻を後ろへ引く」ことを意識するのがポイントです。 最初はその都度椅子から立ち上がる、でも構いません。

椅子スクワットのメリット

  • 立ち上がりに必要な太もも・お尻を安全に鍛えられる
  • 椅子があるため転倒リスクが少ない
  • 運動習慣がない人でも始めやすい
  • 将来の「立つ」「座る」を守る第一歩になる


まずは「立ち上がりを楽にする」ことを目標にしましょう。

初心者向け:自重スクワット

自重スクワットのやり方

足を肩幅程度に開き、胸を軽く張ります。 お尻を後ろへ引くようにしゃがみ、太ももが床と平行になる手前を目安に立ち上がります。 立ち上がる際には、床を踏み込むように力を入れましょう。

自重スクワットのメリット

  • 器具が不要で、いつでもどこでもできる
  • 太もも・お尻・体幹を同時に鍛えられる
  • 歩く・階段・立ち上がりなど日常生活に直結する
  • 将来の介護予防につながる基礎筋力を作れる


「自分の体重を支える力」を身につけることが、自立した生活への第一歩です。

慣れてきた人向け:ゴブレットスクワット

ゴブレットスクワットのやり方

ダンベルやペットボトル、お米の袋などを胸の前で抱えます。 胸を張ったまま、お尻を後ろへ引くようにしゃがみ、ゆっくり立ち上がりましょう。 重りが前にあることで、自然と姿勢を保ちやすくなります。

ゴブレットスクワットのメリット

  • 自重スクワットよりも強い刺激を与えられる
  • 重りが前にあるため、初心者でも深くしゃがみやすい
  • 体幹を守りながら、股関節の柔軟性を引き出しやすい
  • 将来的にマシンやバーベルへ移行するための練習になる


「少し物足りなくなった」と感じたら、次の一歩としておすすめの種目です。

回数・頻度はどれくらい?

目安は8〜12回で、正しいフォームならあと2〜3回しかできない強さです。 楽すぎる場合は、回数を増やしたり次の段階へ進むことを検討しましょう。

目的回数セット数頻度強度
運動習慣をつける5〜10回1〜2セット週2回RPE5〜6
筋力維持8〜12回2〜3セット週2〜3回RPE7
貯筋を目指す8〜12回2〜3セット週2〜3回RPE7〜8
「毎日やる」よりも、適切な負荷を週2〜3回続けることが重要です。

残り2回程度できるかななどの感覚についてはRPE:自覚的運動強度の考え方が参考になります。RPEや初心者の運動負荷の考え方についてはこちらをご覧ください。▶︎初心者向けのRPEの話

スクワットの注意点

Start Low and Go Slow

これまで運動習慣がなかった人は低負荷から始めて、負荷を増やすのは1ヶ月以上経過してからの方が安全でしょう

漸進的に

筋肉は同じ負荷を与え続けるだけでは目指す自立までの道のりは遠くなるでしょう。慣れてきたら強度だけでなく、回数や頻度など何らかの負荷を増やすようにしましょう。

持病について

膝や腰への負荷がかかる可能性があるので元々痛みなどがある場合は整形外科へ相談を。

運動を始めるにあたって特に配慮が必要な人や症状についてはこちらをご覧ください。 ▶︎ 運動を始めて良い状態・避けるべき状態

Q:スクワットは毎日やった方がいいですか?

A:毎日やる必要はありません。筋肉は休息中に回復します。週2〜3回でも適切な負荷や食習慣があれば十分な効果が期待できます。

Q:膝や腰が悪くてもスクワットはできますか?

A:症状によります。椅子スクワットや浅めのスクワットで行える場合もありますが、痛みがある場合は医療機関へ相談しましょう。

Q:ウォーキングだけでは筋肉はつきませんか?

A:ウォーキングも健康を目指す上では非常に有意義な運動です。ただ、介護予防のための貯筋という面からは不十分な可能性が高いです。詳しくはこちらをご覧ください。▶︎ウォーキングだけで本当に足りていますか?次に足すべき運動とその効果について

今日から始めるスクワットプラン

内容
1〜2週目椅子スクワット5回×1セット
3〜4週目椅子スクワット10回×2セット
5週目以降自重スクワット8〜12回×2セット

まとめ

手軽さ・効率・将来的な自立

いずれを考えてもスクワットは最強

ぜひテレビのCM中でもスクワットを始めてみましょう。

余裕が出て来た場合は全身法として他の胸や背中のトレーニングも取り入れてみましょう

もっと体系的に学びたい方へ

この記事ではスクワットを中心に紹介しました。
しかし実際には、

  • どのくらいの負荷なら安全か
  • 腎臓が悪くても筋トレできるのか
  • プロテインは必要か
  • 全身のトレーニングはどう組むのか

これらを組み合わせることで、「介護を遠ざける貯筋」が完成します。
現在、『健診で「腎臓が悪い」と言われた人のための貯筋の本』を執筆中です。

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