「運動してください」と言われた。でも、何をすればいいのか分からない方へ

腎臓×運動

診察室で、医師からこう言われたことはないでしょうか。

「もう少し運動してください」

血圧が高い。体重が増えている。血糖値が上がってきた。腎機能が少し低下している。

運動したほうがよい理由は、なんとなく分かっている。

診察室では「分かりました」と答える。

けれど、病院を出た後に困るのは、そこからです。

診察室で言われること 帰宅後に自分で決めること
運動してください 歩くのか、筋力トレーニングをするのか
無理のない範囲で 何分・何回なら無理がないのか
続けてください いつ行い、何日おきに続けるのか
体調に注意してください どの症状が出たら中止すべきか

そうしているうちに、一日が終わります。

数日後には仕事や家事に追われ、運動のことを考える時間自体が減っていきます。

次の診察では、また同じ会話が繰り返されます。

「運動はできましたか?」

「少し歩くようにはしましたが、あまりできていません」

私は医師として、このやり取りを何度も経験してきました。

そして、患者さんが運動を始められない理由を、単純に「意志が弱いから」と考えるのは違うのではないかと思うようになりました。

運動が大切なことは、多くの人がすでに知っている

運動が健康に重要であることは、多くの人が理解しています。

運動方法についても、ウォーキング、スクワット、ストレッチ、自宅でできる筋力トレーニングなど、多くの情報があります。

公的機関や医療機関が公開している、信頼できる資料や動画もあります。

それでも、多くの人が始められません。

つまり、問題は単純な情報不足ではありません。

本当に負担が大きいのは、「何をするか」を決めること

運動を始めるためには、実際には多くのことを決める必要があります。

  • 今日は歩くのか、筋力トレーニングをするのか
  • 朝にするのか、仕事が終わってからにするのか
  • 10分でよいのか、30分必要なのか
  • 何回行えばよいのか
  • 持病があっても同じ内容でよいのか

一つひとつは小さな判断に見えます。

しかし、忙しい日常生活の中で、これらをすべて一人で決めるのは簡単ではありません。

運動を始められない原因は、意志の弱さではなく、意思決定の負担かもしれません。

医療と行動の間には、空白がある

医師は、病気や検査結果を踏まえて、運動の必要性を説明します。

理学療法士などの専門職は、身体機能を評価し、運動を指導できます。

公的機関や動画は、正しい運動方法を示しています。

それでも、次の一歩が残ります。

医師が運動の必要性を伝え、専門家や公的情報が運動方法を示しても、何を何回いつ行うかを決める支援が不足していることを示す図
運動の必要性と方法が分かっていても、「今日何をするか」が決まらなければ行動につながりません。

外来では、限られた診察時間の中で、検査結果、薬、食事、体調など多くのことを確認します。

そのため、運動については「歩いてください」「無理のない範囲で続けてください」という説明で終わってしまうことがあります。

私自身も、運動の必要性を伝えることはできても、患者さん一人ひとりの日々の運動内容を細かく決め、継続して調整することには限界があります。

必要なのは、さらに多くの情報ではない

運動を始められない人に、さらに多くの知識を渡すだけでは、問題が解決しないことがあります。

必要なのは、最初の行動を具体的に決めることです。

「今日は、これだけ行ってください」

例えば、体調や関節に問題がない人であれば、最初の一歩は「今日、椅子から10回立つ」という内容でも構いません。

10回だけで、すぐに体力が大きく変わるわけではありません。

しかし、何も始められていなかった状態から、実際に一度身体を動かした状態には変わります。

重要なのは、最初から完璧な運動計画を作ることではありません。

自分で何もかも決めなければならない状態を終わらせることです。

「分かっている」と「実際にできる」の間を埋めたい

私たちが取り組みたいのは、新しい運動方法を発明することではありません。

すでに存在する医学的な知識や、信頼できる運動方法をもとに、

  • 今日、何をするか
  • 何回行うか
  • 次はいつ行うか
  • 不安がある場合にどう考えるか

を、できるだけ分かりやすく提示することです。

「運動したほうがよいことは分かっている」から、「今日は実際に一つできた」までの距離を短くしたいと考えています。

あなたが止まっている場所を教えてください

運動を始められない理由は、全員同じではありません。

何をすればよいか分からない人もいれば、身体への悪影響が不安な人もいます。

時間がない人、忘れてしまう人、以前始めたものの続かなかった人もいます。

そこで、実際にどこで行動が止まっているのかを確認するため、短いアンケートを作成しました。

回答時間は1分程度で、氏名の入力は必要ありません。

あなたが運動を始められなかった理由に最も近いものを教えてください。

回答後、希望される方には、最初の運動を具体的に決めるためのLINE案内を表示します。


運動を始める前の注意

この記事は、一般的な健康情報の提供を目的としています。個別の診断や治療、運動処方を行うものではありません。

胸痛、強い息切れ、めまい、失神、急激な体調悪化がある場合は、運動を行わず医療機関に相談してください。

心臓病、重度の高血圧、進行した腎臓病、整形外科疾患などで治療中の方や、医師から運動を制限されている方は、運動開始前に主治医へ確認してください。

アンケートで取得した情報の取り扱いについては、プライバシーポリシーをご確認ください。

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