筋トレと腎臓は両立できる?タンパク質の適量と食事の正解を専門医が解説

腎臓×食事

筋トレしながら腎臓を守る食事について、タンパク質の質や量、その他何を食べるべきか解説

「筋トレをするならタンパク質は多い方がいい」

一方で

「腎臓のためには控えた方がいい」

とも言われます。

結論から言うと

タンパク質の適量は腎機能と尿蛋白で決まります。

結論

  • 腎機能正常:1.2〜1.6g/kg
  • 尿蛋白あり:0.8〜1.0g/kg
  • 腎機能低下:0.6〜0.8g/kg(医師に相談)

つまり、全員に同じ正解はありません。

見落としがちなのが

  • どんな種類のタンパク質
  • 避けた方が良い食材

この2点です。

※本記事は「健診で軽度異常を指摘された人」を主な対象としています


筋トレとたんぱく質の関係は?

大規模なメタ解析では、たんぱく質摂取が

  • 筋力
  • 除脂肪体重
  • 筋肉サイズ

を有意に促進する結果が認められています。

この結果は若年層やトレーニング経験者でより顕著な一方、加齢とともに効率が低下することが示されています。

一般成人において、

筋肉量増加の効果は約1.6g/kgで頭打ちとされますが、これはあくまで上限の目安です。多ければ多いほど良いわけではありません。

つまり

筋量維持、体重管理、老化対策などを目的にするならば、1.2~1.6g/kg/日が理想的な目標値

と考えられます。

とはいえ、上の研究は健常成人の場合。

あなたはどのパターン?

腎機能や尿タンパク、腎形態別のタンパク摂取量フローチャート

使い方:

  • 健診結果(eGFR・尿蛋白)を確認
  • 該当ゾーンに当てはめる
  • まずは下限からスタート

これまで、タンパク摂取量について、欠乏しないようにという考え方がベースとなっていました。
しかし、昨今は筋肉量の維持や全身のタンパク質代謝の最適化など必要十分なタンパク量という考え方も出てきました。

まずは自分がどこに当てはまるかを判断することが最優先です。
ここを間違えると、やりすぎ・不足の両方が起こります。

具体的なタンパク質摂取方法や摂取制限をしない方が良い人などタンパク質についての詳しい話は
▶︎腎臓病におけるタンパク質摂取 をご覧ください。


なぜタンパク質は腎臓に影響するのか?

タンパク質を多く摂ると、腎臓は老廃物を処理するために働きを強めます。
これを過剰濾過と呼びます。

過剰濾過による腎臓への悪影響の解説

短期的には問題はなくても、この状態が長く続くと腎臓への負担となる可能性があります。


では何を食べるべきか?

同じタンパク質でも、加工肉や赤身肉に偏る事は全死亡リスクとの関連が指摘されています。筋肉合成に良い影響を及ぼすロイシンが豊富に含まれている魚や卵、鶏肉を中心にするのが筆者の実践です。

タンパク質だけでなく、食事全体のバランスが重要です。

  • 魚・大豆製品・卵を中心にする
  • 野菜・果物をしっかり摂る
  • 加工食品や過剰な塩分を避ける

いわゆるDASH食や地中海食に近いパターンが推奨されます。

DASH食と地中海食の例

腎臓を守る食事の基本的な考え方については ▶︎ 腎臓を守る食事の基本 をご覧ください。

どうやって実践するか?

✔ ポイント

  • 1日量を3〜4回に分ける
  • 朝にもタンパク質を摂る
  • 夕食に偏らせない

例えば体重60kgで1.5g/kgなら約90gです。
これを1食20〜30gずつに分けることで、効率よく筋肉合成を促せます。


よくある間違い

  • タンパク質を極端に減らす
  • 逆に過剰に摂取する
  • 塩分やカロリーを無視する

特に多いのは「タンパク質だけ」に注目してしまうことです。
実際には減塩の方が優先度が高いケースも多い点に注意が必要です。

▶︎ 減塩の効果と続けられる具体的な方法

また、カロリーが不足するとタンパク質は筋肉ではなくエネルギーとして使われます。まずは必要カロリーを満たすことが前提です。


まとめ

  • タンパク質量は「腎機能+尿蛋白」で決める
  • 多すぎても少なすぎてもリスク
  • 分けて摂ることで効率が上がる
  • 食事全体のバランスが最重要

筋トレと腎臓の両立は可能ですが、
「なんとなく増やす・減らす」が最も危険です。

関連記事

・腎臓×食事に関する記事のまとめは ➡️「【専門医監修】腎臓を守る食事ガイド|専門医が整理する基本と実践

参考文献

  • A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018;52:376–384.
  • Dietary protein content for an optimal diet: a clinical view. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2017;8:345–348.
  • Protein “requirements” beyond the RDA: implications for optimizing health. Appl Physiol Nutr Metab. 2016;41:565–572.
  • Systematic review and meta-analysis of protein intake to support muscle mass and function in healthy adults. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2022;13:795–810.

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