水を飲めば腎臓は良くなる?|脱水と飲みすぎ、どちらも危険な理由

水を飲めば腎臓は良くなる? 腎臓×生活習慣

水を飲めば腎臓は良くなる?|脱水と飲みすぎ、どちらも危険な理由

「腎臓が悪いなら水をたくさん飲みましょう」
そう言われたことがある方は多いと思います。

実際、このアドバイスは間違いではありません。
しかし人によっては逆に悪化させる可能性もあります。

まず「腎臓が悪いとはどういう状態か」を知りたい方は、こちらをご覧ください。
▶︎ eGFRと尿蛋白についての基本的な話


結論:水分は「少なすぎても多すぎても」腎臓に悪い

腎臓にとって問題になるのは大きく2つです。

状態 何が起こるか 腎臓への影響
脱水(少なすぎる) 腎臓への血流が低下する 急性腎障害(AKI)→慢性化のリスク
溢水(多すぎる) 静脈圧が上昇・心不全 腎機能悪化・透析リスク

つまり、「とにかく水をたくさん飲めばいい」という単純な話ではありません。

「水=多いほど良い」という誤解を説明する図


脱水:気づかないうちに腎臓にダメージが蓄積する

例えば、次のような状況に心当たりがありませんか?

  • 夏場に体調を崩しやすい
  • 食欲が落ち、水分摂取も減る
  • 体重がいつの間にか減っている

このような状態では、体の水分が不足し、腎臓への血流が低下します。

その結果、人によっては急性腎障害(AKI)を起こします。

一度回復しても、完全に元に戻るとは限りません。
一度傷を負った腎臓は数値としては元に戻ったとしても、少しずつそのダメージは蓄積されて行くのです。

脱水を繰り返すと、腎臓は元に戻らなくなることを説明する図

実際、外来では

  • 農業
  • 建設業
  • 長時間の運転業務

などの方で、
トイレに行く暇がないなどの理由で水分を十分に取れない場合や炎天下での作業を強いられる方で
夏場に腎機能が悪化するケースをよく経験します。

最近の酷暑ではよりその傾向は顕著です。

その他、ノロウイルスなどの腸炎などで嘔吐と下痢を繰り返して重篤な急性腎障害(AKI)となる方もいます。

ただし重要なのは、これは誰にでも起こりうるという点です。


飲みすぎ:水分過多でも腎臓は悪くなる

一方で、「水をたくさん飲めば安心」とは言えません。

次のような変化はありませんか?

  • 最近むくみやすい
  • 体重が急に増えた
  • 息切れしやすくなった

これらは水分が多すぎるサインの可能性があります。

特に腎機能が低下している場合や、心臓の機能が落ちている場合、
水分をうまく排出できなくなります。

その結果、

  • 心不全の悪化
  • 腎機能のさらなる低下
  • 重症化すると透析が必要になることもある

といったリスクにつながります。

医学的な体重の変化の考え方については

▶︎体重の変化と受診の目安 でも解説しています。


つまり「ちょうどいい量」を保つ必要がある

ここまで見てきたように、


水分は「足りなくても」「多すぎても」問題になります。

重要なのは、「自分にとって適切な量」を知ることです。


では、水はどれくらい飲めばいいのか?

これは一律では決まりません。

  • 体重
  • 腎機能
  • 心臓の状態
  • 季節や活動量

によって大きく変わります。


「喉が渇いたら飲む」だけでは不十分な場合もあります。

具体的な目安については、次の記事で詳しく解説しています。

→ 水はどれくらい飲めばいい? (準備中)

まとめ

腎臓を含めた身体に良い習慣というのは、一つで劇的に変わることはありません。それでも縁の下の力持ちのように継続した習慣が健康を支えることになります。

睡眠や禁煙、血圧管理、サプリメントなどの腎臓を守るために考えるべき生活習慣については
▶︎ 腎臓に良い生活習慣とは でまとめています。

※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療の代替ではありません。詳細は主治医にご相談ください。

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