運動は少しでも意味ある?5分で死亡リスクが下がる理由【医師解説】

運動は少しでも意味ある?5分で死亡リスクが下がる理由【医師解説】 腎臓×運動

運動は少しでも意味がある?|5分でも効果が出る理由【医師解説】

「運動した方がいいのは分かっているけど、時間がない」
「週150分なんて無理」
そう感じていませんか?

実は、運動は“少しでも”意味があります。
問題は「運動量が足りないこと」ではなく、何もしない状態が続くことです。

結論:5分でも、座る時間を減らすだけでも差が出る

医学雑誌の最高峰 The Lancet に2026年1月に掲載された最新のメタ解析(Ekelund U, et al.)によると

何もしない(長時間の座位) vs 少し動く

  • 何もしない → 基準
  • 1日5分の中〜高強度運動 → 死亡リスク 約10%低下
  • 座る時間を30分減らす → 約7%低下

つまり、「しっかり運動できないから意味がない」という考えは誤りです。
ゼロか100かではなく、ゼロか少しかで大きな差が出ます。

座りっぱなしと少しの運動による死亡リスクの違い

運動で得られる主な効果

分野 効果
全死亡 10〜20%低下(筋トレ週30〜60分)のリスク低下
心血管疾患 10〜20%低下のリスク低下
がん 10〜20%低下のリスク低下
メンタル うつ症状や不安の改善
腎臓 腎機能低下の抑制の可能性・身体機能の改善・血管柔軟性の改善
膝関節症 痛み・機能・生活の質の改善

重要なのは、これらの効果が「特別な人だけのものではない」という点です。
少量の運動でも、方向性としては同じ効果が期待されます。

しんどい運動の方が良い?腎臓との関係

一部の研究では、高強度の運動(HIIT)が腎機能低下を抑える可能性も示されています。

その研究では中強度の運動より高強度の運動の方が腎機能の低下を抑えられるという用量依存の関係を示唆しています。

つまり、運動は「軽くやればいい」という単純なものではなく、
強度によって効果が変わる可能性があります。

詳しくは以下で解説しています。
▶︎高強度運動(HIIT)は腎臓に良いのか?

では「少しの運動」とはどれくらいか?

ここで問題になるのが「どのくらいの強さでやればいいのか」という点です。

運動は強すぎても弱すぎても効果が出にくいため、適切な強度設定が重要です。

今回の1日5分の運動というのも中〜高強度の運動を行っており、その設定方法はどうやって考えれば良いのでしょうか。

この考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
運動強度とは?RPEを使った考え方

運動量は「多ければ良い」わけではない

運動量は単純に多ければ良いわけではなく、
腎機能や心血管リスクに応じて調整する必要があります。

自分に合った運動の考え方は、以下で整理しています。
腎機能とリスクから考える運動の進め方

まとめ:まずは「ゼロをやめる」ことから

運動は「完璧にやる」必要はありません。
まずはゼロをやめることが重要です。

今日からできること

  • 1日5分だけ歩く
  • エレベーターではなく階段を使う
  • 自宅でスクワットを10回する
  • 座っている時間が長い時は数分でも階段の上り下りや早歩きを挟む

これだけでも、「何もしない」状態と比べれば確実に差が出ます。
まずは無理のない範囲で、少しずつ始めてみてください。

参考文献

  • Ekelund U, et al. Deaths potentially averted by small changes in physical activity and sedentary time: an individual participant data meta-analysis of prospective cohort studies. Lancet. 2026;407(10524):456-465.
  • Momma H, et al. Muscle-strengthening activities are associated with lower risk and mortality in major non-communicable diseases: a systematic review and meta-analysis of cohort studies. Br J Sports Med. 2022;56(13):755-763.
  • Johansen KL, et al. Exercise in Individuals with CKD. Am J Kidney Dis. 2012;59(1):126-134.
  • Singh B, et al. Effectiveness of physical activity interventions for improving depression, anxiety and distress: an overview of systematic reviews. Br J Sports Med. 2023;57(18):1203-1209.
  • Yan L, et al. Comparative efficacy and safety of exercise modalities in knee osteoarthritis: systematic review and network meta-analysis. BMJ. 2025;391:e085242.

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