運動を始める前に|腎臓が気になる人が最初に知っておくべき判断基準
腎機能の低下や健診異常を指摘されると、
「運動はしていいのか?」「悪化しないか?」
と不安になる方は少なくありません。
結論から言えば、多くの場合、適切な運動は“腎臓を守る側”に働きます。
ただし、すべての状態で無条件に勧められるわけではないのも事実です。
この記事では、運動を始める前に最低限押さえておくべき
「やってよい状態」「避けるべき状態」「医師に相談すべき状態」
を整理します。
まず前提として:CKDと運動の基本的な考え方
慢性腎臓病(CKD)は、症状がほとんど出ないまま進行することが多く、
気づいたときには心臓や血管の病気のリスクも高まっている、という特徴があります。
CKDの基本的な考え方(eGFR・尿蛋白・重症度分類)については、
以下の記事で詳しく解説しています。
運動のメリット|なぜ「やったほうがいい」のか
多くの研究で、適切な運動習慣には以下のような効果が示されています。
| 領域 | 期待される効果 |
|---|---|
| 腎臓 | 腎機能低下の進行を緩やかにする |
| 心血管 | 心筋梗塞・脳卒中などのリスク低下 |
| 代謝・筋力 | 糖代謝の改善、筋力低下・フレイルの予防 |
| 生活機能 | 疲れにくさ、日常動作の維持 |
重要なのは、「運動=腎臓に負担」ではなく、
「やり方次第で腎臓と全身を守る手段になる」という点です。
運動を控えるべき状態|今日はやらない判断が必要なとき
以下に当てはまる場合は、運動は控えてください。
- 安静にしていても胸の痛み、強い息苦しさがある
- 少し動いただけで脈が乱れる、強い動悸、ふらつきが出る
- 発熱・強い倦怠感・食欲不振など、明らかな体調不良がある
- 血圧が普段よりかなり高く、頭痛やめまいを伴う
- (透析中の方)透析後のふらつき・立ちくらみが強い
- 最近「運動や入浴は控えるように」と医師に言われた
「なんとなくおかしい」「今日は体が重い」
こうした感覚は、貧血・感染症・脱水などのサインであることもあります。
休む判断も、立派な健康管理です。
迷う場合やそもそもの症状次第では、無理せず医療機関に相談してください。
医師に相談した方がよい状態|慎重に判断すべきケース
以下に該当する場合は、運動内容や強度について
一度主治医に相談することをおすすめします。
- 動いたときの胸の違和感・息切れ・動悸が増えてきた
- 糖尿病治療中で、血糖変動が大きいと指摘されている
- 転倒が心配になるようなふらつき・めまいがある
- 関節・腰・背中の痛みが、動作で明らかに悪化する
- 呼吸器疾患があり、息苦しさや咳が増えている
糖尿病のある方への注意点
糖尿病のある方は、特に低血糖に注意が必要です。
- 空腹時
- 運動中
- 運動後
使用している薬剤によっては、
運動がリスクになる場合もあります。
軽食のタイミングや運動強度は、必ず主治医の指示を優先してください。
「やり過ぎ」が腎臓に悪影響を及ぼす場合
- 脱水
- 高強度の運動を連日
- 無理な追い込み
などは健康のことを考えると控えた方が良い場合があります
“運動は量と強度で薬にも毒にもなり得る” ということです。
寿命、死亡、心臓、腎臓などのことを考えた際にどの程度の運動が良いのかは
▶︎運動はやり過ぎると逆効果? で解説しています。
次に読むべき記事|ここからどう進むか
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