あなたの腎臓、大丈夫?まず“リスク”から知る
健康診断では毎年同じ項目を見ているのに、腎臓の数値だけは気づかないうちに変化していることがあります。自覚症状がほとんどないまま進行するため、慢性腎臓病(CKD)は「気づいたときには進んでいる」病気として知られています。
この記事では、最新ガイドラインKDIGO 2024に基づき、まず“あなたはどのリスク群か?”に焦点を当てて解説します。リスクを知ることが、腎臓を守る第一歩です。
ステップ1:健診の「eGFR」と「尿蛋白」を見直す
CKDかどうかの判断は、次の2項目です。厳密には形態の異常も含まれますが・・
- eGFR(腎機能の指標)
- 尿蛋白(アルブミン尿)
この2つの組み合わせで、死亡・心不全・脳卒中・腎不全のリスクが“色分け”されるのがKDIGOのリスクマップです。

あなたはAさん・Bさん・Cさんのどのタイプに近いでしょうか?
Aさん(45歳):eGFR 75(正常範囲)だけど尿蛋白(+)。尿アルブミン150mg/g
→ ヒートマップ黄色ゾーン。腎不全リスクは3.9倍。
Bさん(60歳):eGFR 45。症状なしだが腎機能は低下。尿検査は正常。
→ オレンジゾーン。腎不全リスク7倍。
Cさん(40歳):eGFR 85で一見正常だが尿蛋白(3+)、ACR1000mg/g超。
→ 赤に近いハイリスク。死亡リスク2.7倍。
腎機能が保たれていても、「尿蛋白」だけで高リスクに分類されることがある点が最大のポイントです。
ステップ2:CKDとはどんな状態?(簡潔に)
KDIGO 2024では、CKDを次のように定義しています。
- eGFRが60未満
- アルブミン尿が持続
- 腎臓の構造異常がある
つまり、老廃物を出せない・栄養が漏れる・腎臓に異常がある状態が続くということです。
ステップ3:症状は「透析前から」出始めます
CKDは“無症状”と言われますが、実際には次の兆候が透析前から現れることが多いと報告されています(KDIGO 2024 Fig.49より)。

特に多い症状
- 性機能障害(男女とも)
- 慢性的な疲労
むくみ・胸焼け・関節痛なども見られます。
「年のせい」「仕事の疲れ」と片付けられがちですが、腎臓が出す“弱いサイン”かもしれません。
ステップ4:KDIGOが推奨する“腎臓の守り方”
KDIGO 2024(Fig.18)では、腎臓を守るためにまず「生活習慣の土台」から整えることが強調されています。

土台となる4つ
- 運動
- 適正体重の維持
- 健康的な食事
- 禁煙
これらができて初めて、血圧管理や薬の効果が最大限に発揮されます。
まとめ:CKDは“静かに進む”が、対策は今日から可能
CKDは症状が乏しいまま進行しますが、健診のeGFRと尿蛋白を見るだけでリスクは判定できます。まずは自分が「A・B・Cどのタイプか?」を確認し、生活習慣の土台から整えましょう。
薬が非常に重要な時代になりましたが、土台の生活習慣が整っていないと十分に効果が出ない可能性があります。
次回予告:CKDの食事編
腎臓を守るシリーズとして、次回は「食事で腎臓を守る」ガイドラインの要点を、実際のメニュー例を交えて解説します。
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出典: KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease.


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