突然ですが、最近こんなことを感じたことはありませんか?
- 疲れやすくなった
- 何となく筋力が落ちた気がする
- 体重は変わらないのに動きが鈍くなった
これらは、年齢や生活習慣の変化によって誰にでも起こり得る現象です。
そして、実は「腎臓の健康」とも深い関係があります。
腎臓の健康と筋力・体力低下の関係
慢性腎臓病(CKD)患者さんでは、加齢とともに
- 栄養障害
- サルコペニア(筋肉量の減少)
- フレイル(虚弱)
といった状態が進みやすいことが知られています。
これは、腎機能の低下によって代謝が乱れ、筋肉が分解されやすくなるためです。
こうした変化は、生活の質(QOL)の低下だけでなく、
- 心血管病(心筋梗塞・心不全など)
- 転倒・骨折
- 入院や死亡率の上昇
にも直結してしまいます。
「命を守るための透析」だけでは、人生を楽しむ力までは守れない。
日々の診療の中で、そんな現実に直面する場面が少なくありません。
運動療法・食事療法の重要性
そこでカギになるのが、
**「運動療法」と「食事療法」**です。
適切な運動は、
- 筋肉量の維持・増加
- 代謝改善
- 心臓・血管の健康保持
に効果があり、心不全や生活機能の低下を防ぐことができると報告されています。
また食事療法では、
- 過剰な塩分摂取を控え、腎臓を守る
- 適切なタンパク質摂取で筋肉を守る
- 栄養バランスを整えて免疫機能を支える
ことが重要になります。
つまり、
運動と食事は「未来の自分を守るための投資」
なのです。
まとめ 〜保存期からの対策がカギ〜
慢性腎臓病(CKD)患者の多くが高齢者であるため、
- 栄養障害
- サルコペニア
- フレイル
を合併するリスクが高いことが分かっています。
これらは、
- 日常生活活動度(ADL)の低下
- 生活の質(QOL)の低下
- 心血管病の発症・進展
- 転倒・骨折
- 入院・生命予後の悪化
といった重大な転機につながります。
だからこそ、
保存期(まだ透析に至らない段階)からの継続的な運動・栄養対策がとても大切です。
今後はさらに詳しい運動方法や食事内容について、解説していきたいと思っています。
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