家族優先で非常勤医を選んだ理由と社会保険の考え方|マイクロ法人と資産設計
家族優先で非常勤医を選んだ理由と社会保険の考え方
2人目の出産が決まったものの、夫婦ともに両親は頼れず、上の子はイヤイヤ期真っ盛り。産褥期の妻が新生児と上の子を同時に相手することは不可能です。一方で、私自身は当直や主治医業務、オンコール対応など24時間365日病院からの連絡に備える必要があり、緊急時に対応できる体制を維持する必要がありました。
非常勤医を選択した理由
幸いにも内科専門医・腎臓専門医・透析専門医を取得していました。今後の医師としてのキャリアとしては院進、VAIVTやシャント手術、病理や総合内科、感染症、集中治療などの他診療科との掛け合わせが選択肢となっていくと思います。いずれも医師としてはステップアップするものの今後の保険診療の処遇を鑑みると待遇は悪くなることはあっても良くなることはなく、目下の課題である自由な時間は確保されません。大学病院や研修病院などこれまで接してきた医師は、受験戦争などを勝ち抜いてきた背景もありいわゆるドロップアウトと言われる世界線への抵抗や偏見がかなり強いような印象でした。筆者はこれまでの人生でより頭脳面だけでなく、体力面でも優秀な人がたくさんいるということを身に沁みていたため、家族や自分を犠牲にして荒波に飛び込む勇気はありませんでした。このような背景や家庭環境を考慮し、結果としては家族を優先する働き方として非常勤医を選びました。
非常勤医としての社会保険の検討
非常勤医になると社会保険の扱いが変わります。主に関わるのは以下の通りです:
保険 | 非常勤時の扱い | ポイント・補足 |
---|---|---|
年金 | 国民年金(基礎年金) | 厚生年金から切り替わると将来の給付額は減少するが、基礎年金は確保。前納で割引可能。 |
健康保険 | 協会けんぽ任意継続が利用可能 | 国民健康保険(自治体により算定方法・上限が異なる)より負担軽減可能。扶養扱いは協会けんぽと国保で異なるため注意。 |
雇用保険 | 勤務時間・雇用期間次第で非加入 | 週20時間以上かつ31日以上雇用見込みが条件。加入していない場合、失業保険は受けられない。 |
労災 | 非常勤でも加入 | 勤務中の事故に対応。問題なし。 |
現在の生活と今後の展望
これらの検討を経て、国民健康保険+協会けんぽ任意継続を利用し非常勤医としての生活をスタートしました。悩みつつも家族優先の選択を実現できたことに満足しています。
2年後に任意継続が終了するため、その後の対応に悩み結果としてマイクロ法人を設立しました。経緯や実際の手続きなどは別記事で紹介予定です。
今回の経験から、同じように家族と仕事のバランスを考える医師や専門職の方に向けて、非常勤や社会保険の選択肢を整理することは有益だと感じています。
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続きはまた次回の記事でお話しします。
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