急性期勤務医としての限界
私が勤務していたのは、いわゆる「急性期病院」でした。患者さんの状態が日々変化する現場では、オンコールや当直での救急対応及び主治医としての24時間365日の対応が不可欠です。もちろん、それ自体が医師としての醍醐味であり、成長の場でもありました。
しかし、家庭の状況が変わったとき、その働き方を見直さざるを得ませんでした。我が家には複数の子どもがいますが、近隣に祖父母のような頼れる存在はいません。配偶者もフルタイムで働いており、突発的な呼び出しや夜間対応が難しい家庭状況に変わっていったのです。
非常勤という選択
そうした背景から、常勤勤務を辞し、非常勤バイトを掛け持ちする働き方に切り替えました。病院に迷惑をかけない、家族の誰かに無理をさせない、その両立のための選択でした。
非常勤勤務はある程度の裁量と柔軟性があります。しかし一方で、収入面や将来的な保障、社会保険の負担といった別の課題が見えてきます。
社会貢献と自分らしい働き方を模索
非常勤で時間的余裕ができたことで、「これまで培ってきた医師としての経験を、別の形で社会に活かせないか」と考えるようになりました。
その中で出会ったのが、レジスタンストレーニングです。元々、体力維持やストレス対策のために始めた筋トレでしたが、続けていくうちに医療との親和性、特に中高年の健康維持との関連性に強い関心を持つようになりました。
- 高齢者のフレイル予防
- 腎機能低下を防ぐ生活習慣改善
- 生活習慣病リスクの低減
医師としての知識と、トレーニング実践者としての経験。この2つを掛け合わせれば、もっと多くの人の生活にポジティブな影響を与えられるのではないかと思ったのです。
マイクロ法人という選択肢
この思いを形にするために、小さな法人を立ち上げました。いわゆる「マイクロ法人」です。
事業規模は非常に小さいものですが、法人という形をとることで、一定の社会保険制度の枠組みに則りつつ、情報発信や活動の実態を積み重ねていくことができます。
- 情報発信による啓発(Noteやブログなど)
- 運動×医療の専門的なコンテンツ制作
- 育児や介護と両立可能な働き方の模索
家庭を優先しながらも、医師としての価値提供を続けること。マイクロ法人はそのための土台になり得ると感じています。
まとめ
医師として働くこと、親として家庭を支えること、この2つを両立するのは簡単なことではありません。しかし、だからこそ自分に合った働き方を模索し続ける価値があります。
今後はこの経験を活かして、「医師×家庭×副業・法人」というテーマで、同じような悩みを抱える方へのヒントを発信していきたいと思っています。
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